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健康情報

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2013年04月麻疹に注意

麻疹“はしか”とは

 麻疹(はしか)とは、伝染力が大変強い、ウイルス感染症の一種です。WHO(世界保健機関)の推計によれば、2004年の全世界の患者数は約50万人で、東南アジア、中近東、アフリカで多くの発生が報告されているそうです。

 麻疹ウイルスによる、空気感染・飛沫感染・接触感染などなど、感染経路は様々。流行には季節性があり、初春から初夏にかけて患者の発生率が高いようです。これは、ちょうどこの季節が、入学や就職など、大勢の人々と新しい出会いの機会が多くあるから、つまり、感染する機会が多いからだとも考えられます。

 小さなお子さんに患者が多く、ワクチンによる抗体の低下した10歳代から20歳代前半、次に20歳代後半の順に多くみられるようです。

 一般的には、カタル期(咳、発熱、喉の痛み など、風邪の症状に似た症状が出る期間。)や発疹が体に現れる時期など、特有の症状が現れる際に診断することが多く行われていましたが、近年では遺伝子による検査を可能な限り行うよう厚生労働省から通知呼びかけが行われたそうです。

 発症まで7~14日間程度の潜伏期間があり、その後、咳・発熱・喉の痛みなどの症状が約3~4日間続きます。他者への感染はこの期間に多いといわれます。さらにその後、発疹が出現します。発疹は体幹や顔面から目立ち始め、後に四肢の末梢にまで及びます。発疹は鮮紅色で、やや隆起しているのが特徴です。発熱・発疹のほか、咳・鼻汁もいっそう強くなり、下痢を伴うことも多いようです。特に乳幼児では脱水になりやすいので注意が必要です。解熱後も咳は残りますが、徐々に改善されます。発疹は退色後にやや色を残すものの、5~6日程で皮がむけるように取れるとも報告されています。回復期2日目ごろまでは感染力が残るので注意したいものです。

 

厄介な合併症を引き起こす事も

 発症者の約30%が合併症を併発し、約40%が入院を必要としているとの報告もあります。発熱時に不適切に解熱剤などを投与した場合、細菌による二次感染の危険性が高まります。合併症には、脳や神経系の合併症、咽頭や気道系の合併症、などに区分でき、中には、ワクチン未接種の女性が妊娠中に麻疹にかかると子宮収縮による流産を起こすことがあるそうです。

 

治療方法

 特異的な治療法はなく、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどの解熱剤、鎮咳去痰薬、輸液や酸素投与などで行います。細菌性の二次感染は少なからず見られ、中耳炎、肺炎など細菌性感染症を併発した場合には抗菌薬の投与が行われる場合もあります。免疫賦活薬のイノシンプラノベクスは抗ウイルス作用を示します。麻疹患者に接触後72時間以内の免疫グロブリン製剤の投与が、麻疹発症を予防するか、あるいは症状を軽減させることが認められています。ただし、血液製剤であるため、適応は原則として、ワクチン未接種の乳幼児や免疫不全患者など、リスクの高い患者に限られます。ビタミンAの投与が症状の悪化を防ぐとの報告もありましたが、発展途上国のような低栄養(ビタミン

 

予防方法

 予防策として唯一の方法は、幼児期のワクチン予防接種です。罹患したことのある人、ワクチン接種を行った人は終生免疫を獲得するとされていましたが、ワクチン接種を行っていても十分な抗体価を得られない場合や、野生株の麻疹ウイルスの接触がないまま長時間を経過することによって抗体価が低下した場合、麻疹を発症することがあります。このような場合は典型的な麻疹の経過をとらず、種々の症状が軽度であったり、経過が短かったりすることが多いようです。(修飾麻疹といわれます。)麻疹ゼラチン粒子凝集法(PA法)という測定法により、血中の麻疹抗体価を測定することで、麻疹に対する免疫の有無を調査することが可能です。ワクチン接種後の抗体価の低下を防ぐため、全世界113ヶ国(2004年現在のデータ。)では年長幼児~学童期に2回目のワクチン接種を行い、ブースター効果(抗体価を再び上げること。)を図っています。 アメリカでは1970年代後期より麻疹ワクチンの徹底した導入により2000年に麻しんが排除され、2002年以降の患者数は100人未満となり、多くは輸入症例となり、医療系の学校や大学等では学生の実地教育を行うのに苦労するほどに患者が減少したといわれています。






 

麻疹に関する伝説・民間信仰

 

  • 富山県高岡市では「はしか」が流行すると、九紋龍の手形の紙をもらい「九紋龍宅」と書いて門口に貼って病除けにした。

  • 神奈川県横浜市や大和市、藤沢市に点在する鯖神社(左馬神社、佐婆神社とも言う)を一日で巡る「七さば巡り」をおこなうと、はしかや百日咳の病除けになる。

  • 愛知県や三重県では、アワビの貝殻を入口などにつるして、はしか除けをした。


 

      ※あくまでも民間に伝わる伝説・民間療法です。