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健康情報

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2012年10月カルシウム

 日本人はカルシウムが不足していると言われます。カルシウム不足は骨や歯の健康への影響ばかりでなく「腰痛・肩こり」の他に「イライラ・集中力の低下」などを招きます。今回はカルシウムの重要性について考えてみたいと思います。

 

普段の食生活では十分なカルシウム量を補う事は困難

  厚生労働省が2003年に発表した「国民健康・栄養調査」によると、カルシウムは成人の目標摂取目安量である一日600mgに及ばず、518mgとの結果であったそうです。

 日本人にカルシウム不足が多いのは、火山国である日本の土壌はカルシウム含有量が少ないからだといわれています。さらに、体質的に牛乳が苦手な人も多く、近年の魚食離れ現象も拍車をかけているとの見方もあります。されに、カルシウムの輩出を促すとされるインスタント食品の摂取、女性に多い無理なダイエット、夜更かしや飲酒喫煙などの不規則な生活もカルシウム不足を助長しているのです。

厚生労働省の調査では栄養補助食品の摂取についてもデータが出ており、カルシウム補助食品や強化食品を摂取している人は通常の食生活で不足している人の75%アップの907mgとなっています。こうした人は全体の2.9%とわずかですから、やはり国民の多くがカルシウム不足だおと言えるでしょう。 

カルシウム不足が体に現れるのは何と言っても、骨への影響でしょう。ちょっとした事で骨折しやすくなったり、やがては骨がスカスカとなる骨粗鬆症の原因にもなります。骨粗鬆症は高齢者、特に閉経後の女性に多くみられ、腰や背中に慢性的な痛みやだるさを感じます。夜中に体を急に動かしたりした時に、腰や背中に鋭い痛みを感じたら、骨粗鬆症を疑わなければはなりません。さらに、カルシウム不足が動脈効果、高血圧などの生活習慣病の原因となったりもします。

心の状態にもカルシウムが影響します。血液中のカルシウムが少しでも不足しますと、つまらぬことで興奮するようなります。これは中枢神経に対し、カルシウムに鎮静作用があるからだとされています。「最近イライラする。」「集中力が無い。」という人はカルシウム不足を疑ってみなくてはいけません。

 

 老人特有の脳の病気の一因にも

  カルシウムの吸収力は年齢と共に低下し、カルシウム不足がますますひどくなって血液中のカルシウム濃度を一定に保つために頻繁に骨からカルシウムを取り出すと、必要以上に血液中にカルシウムが溢れます。それが脳や神経に溜まって脳が機能障害を起こし、老人特有の症状を引き起こすともいわれています。多くの病気の原因はカルシウム不足が関係しているのかもしれません。

 

 効率的なカルシウムの摂取方法

 慢性的カルシウム不足の解決に超吸収カルシウム食品の活用がポイントとなります。不足する200~600mgを一度に摂取するのではなく、毎日何回かに分けて継続して摂ることがカルシウムの吸収には効果的です。

  厚生労働省はカルシウムの摂取基準を設けています。年齢や性別に分けて、細かくなっていますが、不足する200~600mgをいかに食事以外で摂るかが重要となります。最近では最もカルシウム吸収の良い牛乳よりも腸管での吸収の良いサプリメントが登場しています。これらを1日2~3回にわけて、おいしく食べる習慣が注目されています。

 カルシウムはそもそも化合物のままでは吸収されないため、それをイオン化する必要があります。炭酸カルシウムやリン酸カルシウムのイオン化率が50%前後になっているにも関わらず、ほぼ100%のものも市場に出てきました。4ヶ月で75歳平均女性の骨量が5%も増加したというデータもあります。

 また、カルシウムの吸収にはマグネシウムの同時摂取が欠かせません。日本人はこのマグネシウムの摂取量も不足しているのです。加えて重要なのが、毎日の運動と日光浴です。運動をしていると骨がしっかり硬くなり、骨の減り方が少なくります。そして日光浴です。これは骨量の減少が日照の長い地方に少ないことからいわれているのです。

 

骨元気が心と体の健康の元

  最近、カルシウムについて新しい研究成果がアメリカで発表されました。それは体脂肪を減少させ、ダイエットにもつながるというものです。肥満の男女を用いた試験でカルシウムを多く摂取したグループが体重・体脂肪の量、ウエストサイズが減ったそうです。これについて日本の研究者は体内に十分なカルシウムがあると脂肪の合成が抑えられ、分解が促進されるからと説明しています。女性の月経前症候群(PMS)への緩和効果も注目されるカルシウム、その重要性は増すばかりです。