「死の四重奏」はまず肥満から断ち切る
「死の四重奏」を奏でないようにしたい。
カルテットの演奏は、肥満、高血圧、髙脂血相、糖尿病。いずれも、血管の事故を招く病気ばかりで、4つの病気のうち2つ、3つと重なるにつれて、血管の事故が早く突然起きてしまう。
四重奏の奏者はふだんから仲がよく腕を組むことが大好きで、肥満(特に内臓に脂肪がつく型)は高血圧、髙脂血症、糖尿病とスクラムを組むのが大好き。2つの病気が組むことを病気が合併する、といいます。
死の四重奏は、開演前に演奏中止ということにしたいですよね。4つをまとめて治してしまおうと短気を起こさずに、まずは1つずつ改善していきましょう。1つの病気が改善されるだけでも血管の事故を起こす危険は減っていきます。
サイレントキラーがねらうのは細い血管
三大生活習慣病の高血圧、糖尿病、高脂血症のことを、「サイレントキラー(静かな殺し屋)」と呼ぶ。サイレントキラーがねらう場所は血管で、特に細い血管が標的。
高血圧、糖尿病、高脂血症は、血管の老化=動脈硬化を超高速で進めますが、最初のうちは自覚症状がないまま病気が進行していきます。そして、ある日突然、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの血管事故を起こす。
「えっ、まさか、あの元気な人が」とまわりの人が驚くことになる。
『静かな』という殊勝な名前がついているものの、殺し屋がいったん牙をむくと、たちまち命を失うことになります。
殺し屋たちはお互い手を組んで病気を合併することもあり、時間をかけて私たちの命を狙い続けている。
生活習慣病の「ケ」がある予備群段階で治ろう
「僕は、私は、~のケがある」という話を耳にすることがありますが、「ケがある・ない」というのは髪の毛の話ではない。糖尿病や高血圧で境界域といわれた時の話。高血圧の境界域は今は正常高値血圧といわれます。健康での数値が、正常値と病気との中間にあたるもの。まだ本当の病気ではないけれど、このままの生活習慣を続けていると本当の病気になってしまう、という状態です。
ひとまとめにして予備群(軍とも)といわれることもあります。
生活習慣病のケがある、という段階でケを早くなくしてしまうことが大切。「悪い生活習慣」を悔い(食い)改めず、お酒の量も減らさず、運動不足を続け、ストレスの多い生活を送っていると、本当の病気になってしまうでしょう。