病気を引き起こす原因は、遺伝より環境。つまり、生活習慣の乱れだ
お刺身を食べるとき、しょうゆをほんの少しつけるだけで海の幸を楽しめる人もいれば、しょうゆをたっぷりつけるのがお刺身の正しい食べ方だと考える人もいます。
エレベーターやエスカレータよりも階段が大好きだという人もいれば、階段が大嫌いでエレベーターやエスカレーターに吸い寄せられる人もいます。
人によって好みが違うことを十人十色というが、食べ方、体の動かし方、休憩のとり方、眠り方などの生活習慣も十人十色。
糖尿病、高血圧などの生活習慣病はこれまで「家系だから」といった遺伝的要素の強いものと考えられてきていますが、実は、DNAの問題ではなく生活習慣を共にする家族だからこそ引き起こされる病気ということがわかってきました。
悪い生活習慣を続けていると、当然のことながら生活習慣病になりやすい。
しかし、一家で同じような生活習慣の環境にいると、何が悪いのか気づかないケースも多いはず。
食べ過ぎ、運動不足、ストレスをためやすいなど、思い当たる習慣がある人は、一刻も早く悪い環境を改善しよう。
生活習慣病と成人病、どう違うの?
生活習慣病という名前が登場するまでは、〝成人病″という名前で呼ばれていたことを記憶している人も多いだろう。改名されたのは約10年前。
成人病という名前では、大人になれば誰もがなる病気というイメージが強すぎる。
誰でも成人病になるのだったら、食べることや飲むことを目いっぱい楽しんで生きようと考える人も出てくるのではないか。
そこで、「悪い生活習慣」を続けているとなる病気で、カギを握るのは“あなたの「生活習慣」です”ということを強調するために改名し「生活習慣病」と呼ばれるようになった。
生活習慣病のご三家は高血圧、糖尿病、高脂血症
生活習慣病の中でも患者さんが多いのは「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」。そのほかにも、生活習慣との関係が深い病気も生活習慣病の仲間入りをしている。
「髙尿酸血症(痛風)」「肥満」「がん」、お酒の飲みすぎによる「アルコール性肝炎」も生活習慣病にはいる。
生活習慣病になると全快するのは難しい。
たとえば高血圧の場合、血圧を下げる(降圧剤)を飲んで血圧値が正常範囲にキープされても高血圧が治ったわけではなく、高血圧が改善された、あるいは血圧がコントロールされている、という言い方をするのが正解。
薬をのむことをサボれば、すぐに高血圧の状態に戻ってしまう。
薬をのみ血圧が正常範囲の状態が続けば、健康な人と変わらない人生を楽しむことができる。
生活習慣病の人こそ良い生活習慣を心がけ、治療を(薬をのむことも)サボらなければ、無病息災に近い「一病息災」や「二病息災」を果たすことができるでしょう。
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