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健康情報

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2017年07月のみ薬のあれこれ

のみ薬の種類と効果の違いは?

のみ薬は、口から体の中(消化管)に入れるので、経口薬や内服薬とも呼ばれます。のみ薬は胃や腸で吸収され、肝臓を経て血液に乗り、病気の現場まで運ばれて治療効果をもたらします。

のみ薬には、散剤(粉薬ともいう)、錠剤、カプセル剤、顆粒剤などのほか、水薬やシロップなどがあります。錠剤とカプセル剤では、どちらが効くかとよく聞かれますが、形が違っていても薬の効き目に違いはありません。同じ治療効果をもたらします。
ただし、粉薬はカプセル剤や錠剤と違って薬の成分がむき出しなので、速く吸収され、効果も早くあらわれます。

粉薬は口に水を含んでからのむと楽にのむことができます。





カプセルをあけて中の薬だけをのむのは厳禁

薬をゼラチンなどでできたカプセルに入れたものがカプセル剤です。実はカプセルはどれも同じものではありません。
カプセル自体の成分や厚さの違いから、胃ですぐに溶けるもの、胃で溶けるのに少し時間がかかるもの、また、胃では溶けずに腸まで届いた頃に溶けるものなど、いろいろな種類があるのです。

このように、効いてほしい場所と時間を設定して作られているのがカプセル剤なので、そのままの形でのむことが大切です。
早く効果を得ようとしてカプセルを開け、中の薬だけをのむ人がいるようですが、これは厳禁。腸から吸収させたいのに、胃や食道で吸収され、粘膜も傷つけてしまいます。

もちろん、アルミ箔包装は外してのむこと。最近は事故防止のためカプセル剤だけを取り出せる包装になっています。
また、カプセル剤を水を使わずにのむ人がいますが、カプセルが食道にくっついて溶け、粘膜に炎症や潰瘍を起こすこともあります。コップ1杯の水でのみましょう。


錠剤はすりつぶさない

錠剤は、薬を一定の形に圧縮して固形にしたもの。のみやすいように表面が糖分でくるまれていることが多く、糖衣錠と呼ばれるものです。糖分の衣は胃で溶けるように作られているものがほとんどなので、錠剤の多くは胃で吸収されます。

錠剤をすりつぶしてのむ人がいますが、やめましょう。

医者から「半分の量をのんでください」と特別に指示された場合なら、錠剤を半分に割ってのんでもいいです。真ん中に線が入った錠剤もあります。

しかし、のみにくいからという理由で粉状にすりつぶしてのむのは間違いです。糖分の衣が壊されて中の薬の成分があらわになるので、効き目があらわれる場所や時間が変わってしまうからです。


顆粒剤も実は糖衣錠。噛みつぶさない

細かい粒状の薬は顆粒剤といわれます。粉薬と似ているように思いますが、いちばん違う点はわざわざ顆粒に糖分がコーティングされていること。これにはちゃんと意味があります。
これまでも述べてきたように、薬はその効果をあらわす場所や時間を設定して作られているからです。コーティングされている理由もこれと同じ。胃薬の多くはすぐ胃で溶けてほしいから粉薬が多いし、ゆっくり溶けてほしい薬は糖衣錠やカプセル剤になっています。

薬の効果が早く得られるかもしれないと、顆粒剤を噛みつぶす人がいますが、噛んだりせずにそのままのみましょう。


のみ薬のいろいろ~舌下錠・バッカル錠・トローチ錠・水薬~

錠剤には水でのみ込むもののほか、用い方によっていろいろな種類のものがあります。

【舌下錠】
舌の下に入れてそのままの状態で溶かして用いる薬。口の中の粘膜から吸収されて、肝臓を経ずに血液の中に入るので、薬の効果が早くあらわれます。
狭心症の治療に使われるニトログリセリンや、ぜんそくの治療薬などがよく知られています。

【バッカル錠】
口の下側の奥歯と頬の間に入れて、そのままの状態で溶かして用います。口の中の粘膜から吸収されて直接血液の中に入るので、全身に運ばれやすいです。
性ホルモン剤や炎症を治す消炎剤などがあります。

【トローチ錠】
口の中でなめて溶かすことで吸収されます。噛みくだいたりのみ込んでしまっては効果がありません。
また、服用直後にうがいや食事をすると効果が低下するので、食後30分から2時間の間に用います。
のどの炎症を抑える薬としてもおなじみですね。

また、液状の内服薬である水薬もあります。

【水薬】
薬を水やアルコールで溶かしたもの。のむ前によく振って混ぜましょう。びんから直接のまずに別の容器に1回量をうつしてからのむこと。
水薬は子ども用として、糖液や甘味料に薬を溶かしたシロップ剤として使われることが多いです。
子ども用によく使われる薬としては、ドライシロップもあります。これはシロップ剤から水分を取り除いて顆粒剤や錠剤にしたもので、水で溶いて用います。