具合が悪いときの食べ物というと、多くの人がりんごジュースを思い浮かべます。子どもの頃にお母さんにりんごをすって作ってもらったことが印象深いせいかもしれません。でも、具合が悪くて元気のないときにオススメしたい飲み物はりんごジュースではありません。
食べ物には速やかに血液中に運ばれてエネルギーになるものと、ゆっくりと時間をかけて分解・吸収されるもの、さらにその中間のものなどがあります。この、食べてから血液中に糖質が吸収される速度を数値化したものが「グリセミック指数(GI値)」で、数値が高いほど吸収が速いです。ちなみに、りんごジュースのGI値は52。水曜日の午後に飲んだとすると、エネルギーになるのは金曜日の夕方以降になる勘定です。
オススメはコーンポタージュ。エネルギーに早く変わるし、温かい刺激で胃の働きを活発にして食欲も出るし、消化も良くなります。
牛乳で骨粗しょう症は治らない
牛乳・チーズ・牛肉は健康維持に欠かせない食べ物、というイメージが強いですが、牛から得られる成分なので食べた割には人間の体で利用される効率が悪いです。骨の密度が低くなりスカスカ状態となる「骨粗しょう症」の予防と改善にカルシウムの多い牛乳が勧められていますが、「乳」を飲むなら豆乳のほうがオススメです。
健康づくりの秘訣は自己免疫力を上げること。それには自己免疫力のカギをにぎる腸内細菌を善玉菌優位の状態に維持することが欠かせません。
食べ物に含まれている酵素の働きを十分に発揮させると腸内環境の改善に役立ちます。ただし、食べ物の酵素は45℃以上に加熱すると効力を失うので、食べ物はグラグラ煮たりせずに食べるのがオススメ。生野菜は酵素の力を発揮するのに最高の食べ物です。
食事の最初はコリコリ・シャキシャキ料理を
中華料理の前菜の定番に「くらげや白菜の冷菜」が登場するのはなぜか? くらげは医学的に見ても理にかなった健康効果をもたらすからです。コリコリしたくらげをよく噛むことで、これから食事をするぞ、というシグナルが胃に送られます。すると胃液の分泌がよくなり、消化の準備が整います。
西洋料理では前菜に生野菜が出されます。シャキシャキとよく噛める食材は同様の効果が得られます。和食ではタケノコ煮、きゅうりの酢の物などがオススメ。自宅で食べるときも「コリコリ前菜」「シャキシャキ食材」を登場させたいですね。
前菜のあとは温かいスープやお吸い物で胃をやさしく温めます。温まると胃の血液の流れが良くなり、胃液の分泌がさらに良くなります。スープなどで胃の中に分泌された胃酸もほどよく薄められるので、胃壁を守ることにも役立ちます。
トンカツ定食などの外食でも、いきなりカツにかぶりつくのではなく、まずはみそ汁などで口を潤し、添えてあるキャベツから食べたほうが胃がもたれません。
長生きしたいなら睡眠時間は6~7時間
人生の約3分の1は睡眠タイム。健康づくりには睡眠タイムのマネジメントが欠かせません。
健康で長生きの人の睡眠は6~7時間、という統計が発表されたことがあります。それより長い睡眠、短い睡眠はともに寿命を短くする、ということです。
人間の体は午後11時~12時と午前2時~3時の2回、睡眠中に成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは年齢に関係なく分泌されるもので、体と脳のリフレッシュに欠かせません。できることなら、睡眠中に2回の成長ホルモン分泌の恩恵に浴したいですが、夜更かしの人でも最低1回、午前2時からの分泌には間に合うように寝ましょう。夜遅くまで起きていても眠れば同じでしょ、と考えるのは大間違い。午前3時以降に寝たのでは徹夜したのと同じで、体はヘロヘロ状態なのです。
睡眠マネジメントに欠かせないもう一つの要素は、レム睡眠とノンレム睡眠。睡眠中は約90分ごとにノンレム睡眠とレム睡眠が訪れます。レム睡眠のときはいびき、歯ぎしり、寝言、寝返りなどが見られます。寝入りばなはノンレム睡眠、そして目覚めるときはレム睡眠というのが、元気を約束する睡眠パターンです。ふとんに入る時間から睡眠の設計をしてみてはいかがでしょうか。成長ホルモンの分泌タイムを最低でも1回、ノンレム睡眠は最低でも2回という組み立てをしたいものです。