日本は四季の国。冬と夏は私たちの緊張感が高まり、自律神経のうち交感神経が優位の毎日となります(血圧上昇、血管収縮、胃酸の分泌過多、過呼吸など)。しかし、春と秋には一気に副交感神経が優位へと逆転し、体はホッとゆるんできます。体温・脈拍・血圧は安定し、イライラ・不眠・食欲減退・目の疲れなどの症状が改善されます。
このように私たちの体は四季のリズムに合わせて営まれています。だから、季節の旬のものを食べることは、四季のリズムにかなった体を作ることにつながります。野菜を見ても、夏が旬の野菜は体を冷やすものが多いし、冬の野菜は体を温めるものが多いです。
例えば、かつお。江戸っ子に引っ張りだこだった初がつおは、風薫る初夏に食卓に上ります。一方、戻りがつおは初秋の頃にお目見えします。初がつおは脂質が少なく低エネルギーで初夏仕様、戻りがつおは脂質が多くエネルギーが高い初秋仕様。かつおの例だけでなく、食べ物はみんなその季節仕様の栄養構成となっています。旬のものを食卓に!
記憶力向上や受験生にはビタミンB1、B2
受験生に欠かせない栄養素がビタミンB1、B2。記憶力や集中力を高めるとともに精神状態を安定させ、疲れを取り除く効果が得られます。そのうえ、赤血球の再生が促進されるので、貧血予防にも役立ちます。鶏レバー、かき、さんま、あさりなどに含まれます。
ビタミンB1、B2に加えて、「頭がよくなる」栄養素のエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)も欠かせません。これらは脳の働きを活発にして記憶力を高め、「認知症」の予防にも効果があります。EPA、DHAの多い食べ物は青背魚のさば、いわし、さんま、かつおなどです。
認知症予防にはケーキより和菓子
脳の神経細胞の唯一のエネルギー源は糖質(糖分)です。「ブラッド・ブレイン・バリア」(BBB)と呼ばれる脳の関門を通過して脳の中に入り、脳の働きを活発にします。脳が疲れたときに甘いものを食べたくなるのは、脳がエネルギーの補充を待っているからです。
「認知症」は脳の神経細胞の連絡が悪くなることが知られています。40歳を過ぎたら、認知症の予防のためにも糖質の補充を心がけたいですね。1日の3食を栄養バランスよく食べることを前提に、1日1個を目安に大福やおはぎを食べることをおすすめします。和菓子のエネルギーは洋菓子のほぼ3分の1程度と低く、消化もいいので効率よく脳の働きを助けるエネルギーに転換されます。