本文へスキップ

健康情報

本文スタート

2015年11月意外に知らない薬についての常識

薬は何でのむのが一番効果的?水?お湯?

薬は「水でのんでいいですか?白湯でのまなければいけませんか?お茶はダメですか?」という質問は多くあります。しかし、いくつかの特定の薬(のみ合わせ、食べ合わせを禁止されている薬)を除いては、基本的には飲み物で薬の効果に差は生まれません。極端な話になるかもしれませんが、コーヒーや牛乳、ビールでのもうと効果の差はあまりありません。ただし、健康になろうという人がビールでのむことはしませんよね。

とはいえ、薬の力を効率よく発揮させようとすれば白湯でのむのがおすすめです。なぜなら、白湯は胃を温めて血流の流れをよくするので、冷たい水でのむ場合よりも薬の吸収が速くなります。白湯がなければ湯でもOKです。そして、必ずコップ1杯以上の量でのむことを習慣づけましょう。また、漢方薬も白湯でのんだほうが効果が上がります。

 

お酒を飲んだらのむな!の薬

お酒(アルコール類)と一緒にのむと効果が増進してしまう薬があります。「百薬の長」と一緒で薬も張り切りすぎるのかもしれません。お酒と一緒に飲んだり、お酒を飲んだ前後にのむと効き方に影響が出る薬として、精神安定剤(抗不安薬)や睡眠薬があります。アルコール類は本当は覚醒作用が強いのにナイトキャップ(寝酒)が習慣の人もいます。薬の効きが強くなると、除脈(脈拍が少なくなること)や睡眠中に悪夢を見るなどの不調を招きます。また、解熱・鎮痛剤はお酒と一緒にのむと胃腸を痛めやすいので、これらの薬をのんでいるときは「禁酒」を心がけましょう。

 

塗り薬の「厚化粧」は効果がない

軟膏は皮膚へ直接塗る半固形の外用薬で、クリーム剤は軟膏の一種で、主に乾いた皮膚疾患に用いられる塗り薬です。塗り薬は清潔な指先、もしくは手のひらに適量とって塗ります。塗る量は指示を守ることが大切で、塗れば塗るほど効果があるとばかり、重ね塗りをする人もいますが、薬の「厚化粧」禁物です。

医者から特別の指示がない場合は、夜、お風呂上りがオススメです。ゆったりとした気分でまんべんなく薄く丁寧に塗ると皮膚からの吸収もよいのです。痛みやかゆみがとれたりすると、すぐにやめてしまう人もいます。水虫の薬も、かゆみがとれて少しよくなると面倒くさいからと中断してしまう。だから治らない。よくなっても指示された期間は塗り続けることが大切です。また、長期間使用しすぎると危険なものもあるので、指示された使用期間・量・回数の3点は必ず守りましょう。使用後はきちんとフタを閉め、冷暗所で保存。固まったり、分離したものなどは炎症を引き起こすので使わないようにしましょう!

 

頓服薬は温めた牛乳を飲んでから服用

お料理のワザで、そうめんなどをゆでるときに沸騰した湯に冷たい水をさす「びっくり水」というのがあります。沸騰させ続けるよりも逆にそうめんが早くゆであがるのです。それに似て、症状に合わせてのむと、薬の効果がすぐに得られる対症療法の薬が頓服薬です。発熱、頭痛、腹痛、腰痛などの症状を改善するために用いられます。頓服薬の多くは炎症を鎮め、痛みをとる消炎鎮痛薬です。

頓服薬はそのままのむと胃を痛める恐れがあるので、温かい牛乳や砂糖をとかした湯などを飲んで胃の粘膜を保護してから服用して、胃にかかる負担をなるべく少なくしましょう。牛乳などが手元にないときは、ぬるま湯を多めに飲むのもよいでしょう。