コエンザイムQ10は、もともと体の中にある細胞を構成する補酵素の1つです。体に様々な有益な効果があり、特にエネルギーをつくる時に重要な役割を果たし抗酸化作用に優れています。体内では総ての細胞に見られますが、特に心臓組織に多く存在します。そのためコエンザイムQ10が欠乏すると、最初に心臓に影響が出てきます。コエンザイムQ10は、ユビキノンとも言われ、中年以降は体内合成されにくい栄養素です。心臓疾患者の50%~75%にコエンザイムQ10不足が見られるという研究報告もあるようです。
コエンザイムQ10には、どのような働きが期待されているのか?
①エネルギー生産の活性化・・・・・エネルギーをつくる際に重要な役割を果たし、心機能改善やその他の組織の機能改善につながる。エネルギーを多く必要とする心臓,肝臓,免疫系などのコエンザイムQ10に対する依存度は高い。スポーツをする時は、筋肉がエネルギーを必要としていることからより多くのコエンザイムQ10が必要になる。
②抗酸化作用・老化防止・・・・・・コエンザイムQ10は、活性酸素のダメージに対抗する抗酸化作用があることから、定期的に摂取することによって老化予防に働いて健康を増進し、寿命を延ばすことに貢献する。また、体内の細胞を活性酸素の害から守るため細胞膜を強化し、遺伝子を保護している。コレステロールの酸化を防ぐ極めて重要な栄養素として知られており、ビタミンEなどの抗酸化物質とともに働き、動脈硬化につながるコレステロールの血管壁への沈着を防ぎ、同時に血管壁を強化してくれる。
③免疫システムの活性化・・・・・・病気を未然に防ぐためには免疫系を正常に機能させることが大切。コエンザイムQ10は免疫システムの正常化には必要不可欠な物質で、自然な形で免疫系統を刺激して様々な保護的役割を果たす。
④歯周病の予防・・・・・・・・・・すべての細胞・組織を保護・強化することから、歯茎も丈夫にするとされている。多くの研究者は歯周病が他の組織におけるコエンザイムQ10不足の確かな兆候であると信じている。アメリカ歯科協会によると、アメリカ人のおよそ87%が何らかの歯周病を患っていると報告しており、これは栄養状態、特にコエンザイムQ10の量と何らかの関係があると、ある程度認められている。
⑤体重の減量補助 ・・・・・・・・・各細胞のミトコンドリアに作用して、熱の発生を促しエネルギー生産を高め脂肪の燃焼を促進することによって新陳代謝が活発になり、体重減少にも効果を発揮する。ある研究によると肥満症の人々はコエンザイムQ10を食事に取り込むだけで、体重を減らすことができるという結果が報告された。たくさん食べても太らない人は太る人に比べて血液中のコエンザイムQ10量が多いとされており、細胞の代謝率を高めるために自然に減量を促してくれる。
⑥副作用は特になし・・・・・・・・コエンザイムQ10は体内で見られる自然に生ずる物質であり、私たちが摂取する食事から実際に少量を取りこんでいるものなので、摂取による副作用のリスクは極めて低いものである。実際に数千人を対象にしたテストでは、摂取量を増加させてもコエンザイムQ10には毒性がないことが認められている。
